失われつつある森、街、海の循環を、 業種を越えてつなぎ直す 新たな循環を見つけて育てる

私たちについて

かつての循環を振り返る

第二次世界大戦後の1950年代、日本では高度経済成長による木材需要の増加に応え、スギやヒノキの大規模な植林が全国で行われました。復興と経済発展を支えるため、多くの山林が人工林へと姿を変えました。

当初は林業、製材業、建築業、街の間で、山の木材を建物に使い、その需要が森の管理につながる循環が成立していました。木を植え、育て、伐り、使うサイクルが機能し、森は資源を生み出す場所として、人々の暮らしと密接につながっていました。

植林された森も、間伐や伐採などの適切な管理により、地面まで日光が届き、下草や多様な植物が育つ環境が保たれていました。土壌の保水力や生態系も一定程度守られ、健康な山から川を通じて海へミネラルや栄養が運ばれることが、豊かな川や海の幸を育む大きな要因にもなっていました。

森の木を伐り、製材し、家を建て、街で使い、再び森へ戻る循環と、山から川を通じて海へつながる様子の図

失われる循環

ところが1960年から70年以降に価格の安い輸入材が主流になり、植林された森の木材の需要は低迷すると、林業や製材業が衰退し、森に十分な管理の手が行き届かなくなりました。適切な間隔で植えられていたスギ、ヒノキは密集して生え、山肌に十分な日光が届かなくなることで生態系が崩れ、保水性がなくなりました。結果として毎年大きな被害を出す土砂崩れや洪水などが頻発するようになりました。それだけでなく、かつて山から共有されていたミネラルや栄養も減少し、一見無関係に見える漁業にも影響を及ぼしています。

そのことに気づいたのは、地元徳島で近年頻発する川の氾濫の根源を辿った時でした。この状況を改善していくためには、適切な伐採や管理が欠かせませんが、現実には、林業の担い手不足や木材価格の低迷など、現場を動かすための仕組みが十分に機能していない状態です。

手入れされない森で土砂崩れが起き、輸入材が主流になって循環が途切れた様子の図

地域の木を使い、
森を育てる仕組みをつくる

私たちもりまちレジリエンスは、この課題を解決するために、森の手入れだけではなく、伐った木を地域の中で活かし、もう一度森へと還っていく仕組みをつくることを目指しました。その第一歩として、林業、製材業、建築業を生業とする企業が業種の垣根を越えて手を取り合うところから、この取り組みは始まりました。

それぞれの業種が持つ知識や技術、経験をつなぎ合わせることで、これまで分断されていた「伐る」「製材する」「加工する」「建てる」「使う」という木の流れを、一つの循環として捉えられるようになりました。

業種を越えて団結することで、伐採から製材・加工、建築や家具への利用までをつなぎ、山で育った木を地域の中で価値ある資源として活かす。そして、その価値を建物や家具など、私たちの身近な暮らしへ届けていく。私たちは、そんな新しい木材の循環をつくるための一歩を踏み出しました。

林業・製材業・建築業の担い手が手を取り合い、木の循環を再びつないだ様子の図

より多くの人々と、
より豊かな未来を目指して

それから活動を続ける中で、街に暮らす建築家やデザイナー、珈琲店、庭師、家具ブランド、漁師や農家、観光など、さまざまな分野で活動する人々が私たちの考えに賛同し、一緒により豊かな未来を目指す仲間になってくれました。

森から始まった取り組みは、林業や木材に関わる人たちだけのものではなく、私たちが暮らす社会のさまざまな人々をつなぐ活動へと広がっていきました。それぞれが異なる視点や知識、技術を持ち寄ることで、一つの業種だけでは見つけられなかった新しい可能性が生まれました。そして、森、街、海をつなぐ循環を見つめる中で、農業や食、製造など、私たちの社会には同じような循環がさまざまな場所に存在していることにも気付きました。

今、私たちは地域のイベントや事業をさらに広げながら、森だけでなく、街や海を含めた地域社会全体のつながりを育て、活動の幅をさらに広げています。

建築家や庭師、農家、漁師などさまざまな人が加わり、森・街・海の循環が広がる様子の図

取り組み

  1. 01 地域循環型
    サプライチェーンの再構築

    木材価格の下降以降、これまでのシステムは破綻しています。

    森の伐採から販売出口までの工程を見通した上で全体をコーディネートしていく必要があります。

    そこで、わたしたちは、業界に依存しない。同じ志をもったメンバーの参画により、それが実現できています。

    メンバーについて
    川上・川中・川下をつなぐ地域循環型サプライチェーンの図
  2. 02 森の環境改善のための実働

    林業メンバー主導のもと、徹底した装備と管理で、安心かつ安全な林業を行っています。またそれらの活動が持続可能なものとなるように、自社でプレカットを行うなどの体制を作っています。

    活動実績を見る
    防護装備を身につけて森で作業する林業メンバー
  3. 03 問題の周知・啓蒙活動

    わたしたちは現在、放置された森の手入れを行いつつ、以降も続けていけるように、次世代の担い手を育てています。

    また、森の現状や課題を発信することで、地域の人々と問題を共有し、森づくりに関わる意識を広げていきます。

    活動実績を見る
    木づちを使って木工体験をする子どもたち

関連事業

  • ファブラボ

    ファブラボ

    地域材を活用したものづくりができるラボ。木工CNCルーターや3Dプリンターなどを備え、誰もがものづくりを楽しめるDIYコミュニティスペースです。

  • Archimobili

    Archimobili

    地域材を活用した家具ブランド。家具の制作を工程を見える化することで、そこを切り口に森の問題を認知してもらうことを目的としています。

メンバー紹介

  • 鎌田晃輔

    代表理事

    鎌田晃輔

    株式会社誉建設 日晃商事有限会社

  • 井貝新吾

    理事

    井貝新吾

    有限会社井貝重機 株式会社丸新運輸

  • 大久保仁史

    理事

    大久保仁史

    大久保林産業株式会社 株式会社KANEDAI LEASE

  • 大岡将友

    理事

    大岡将友

    株式会社阿波林材

  • 田川弘

    南海造園土木株式会社

  • 佐々木一成

    佐々木一成

    有限会社佐々木エンジニア

  • 喜多真一/工藤洋史

    喜多真一/工藤洋史

    喜多機械産業株式会社

  • 島津臣志

    島津臣志

    島津臣志建築設計事務所

  • 山川明訓

    ノリプロ株式会社

  • 金泉裕幸

    有限会社金泉製材

  • 福岡弘記

    福岡弘記

    サイクルコーヒー

  • 清水宏耕

    清水宏耕

    清水造林

  • 伊藤弘記

    伊藤造園

  • 布川知則

    布川知則

    冨士ファニチア株式会社

  • 浅川雄紀

    浅川組

  • 谷沙織

    谷沙織

    行政書士ひまわり法律事務所

  • 祁答院弘智

    祁答院弘智

    リレイション

  • 小林稔

    小林稔

    小林木工所

  • 西上大貴

    西上大貴

    鳴門漁師 西上大貴 鳴門海峡漁師 ギフトマンズワークス株式会社

  • 西上風吹

    西上風吹

    鳴となる

  • 森下麻実子

    森下麻実子

    株式会社NKK 鳴門観光興業株式会社

  • 岡田圭祐

    株式会社イルローザ

  • 松原克浩

    株式会社リバーファーム

  • 田中美有

    合同会社門口

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